水道設専門用語一覧

ろ過面積
ろ過面積とは
１. 概要
・ろ過面積は、水道工学や浄水プロセスにおいて重要な指標のひとつであり、水から不純物や微生物を取り除くためのろ過処理において使用されるろ過装置の表面積を指します。ろ過面積が適切に設計され、管理されていることは、水の浄化プロセスの効率性と品質を確保する上で不可欠です。
２. ろ過の基本原理
ろ過は、水から異物や微生物を取り除くために、ろ過材やフィルターメディアを通して水を通すプロセスです。ろ過装置において水が通過する表面積がろ過面積です。主なろ過の基本原理には以下のものがあります。
・表面ろ過: ろ過材の表面に付着した異物や微生物を物理的に取り除く方法。フィルターメディアの表面がろ過面積となります。
・深層ろ過: ろ過材の中に異物や微生物を取り込む方法。表面だけでなくろ過材全体の体積が関与するため、表面積以外にもろ過材の全体積も考慮されます。
３. ろ過面積の重要性
３.１. 効率性向上
・処理水量の向上: ろ過面積が適切に確保されていると、単位時間あたりに処理できる水量が増加し水の供給が向上します。
・異物除去効率: ろ過面積が充分であれば、ろ過材やフィルターメディアが効率的に異物や微生物を捕捉し、浄水の品質向上に寄与します。
３.２. メンテナンスの軽減
・寿命の延長: 適切なろ過面積を確保することで、ろ過材やフィルターメディアの寿命が延びメンテナンスの頻度が軽減されます。
・圧力損失の低減: ろ過面積が十分であれば、水がろ過装置を通る際の抵抗が少なくなり圧力損失が低減します。
４. 実際の応用例
４.１. 飲料水処理
飲料水処理プラントでは、大量の水を安全で飲みやすい水質にするためにろ過が行われます。ろ過面積の確保は、効率的な浄水処理を実現するために不可欠です。例えば、多層ろ過ユニットや逆浸透膜など、ろ過面積が設計段階で考慮されています。
４.２. 工業用水処理
工業用水においても、ろ過は異物や不純物の取り除きが求められます。機械の冷却水やプロセス水として使用される水は、ろ過された清澄な水であることが必要です。ろ過面積の適切な設計により、製造プロセスの安定性と設備の保全が確保されます。
５. まとめ
ろ過面積は、水道や浄水処理プロセスにおいて効率的な異物除去と浄水の確保に重要な要素です。設計段階から十分なろ過面積を確保することで、水質の向上と設備の効率的な運用が可能になります。ろ過面積の計算や設計は、特定のろ過装置やプロセスに合わせて行われ、異物の種類や水の流れによって最適な設計が求められます。